香川のものづくり支援事例集No.8
8/16

香川県板金工業組合の理事長を長年努め、板金業界の発展に貢献され、新たな発想と積極的な活動方針で、組合の活性化に取組まれました。「多い時には200名近い組合員がいたのですが、年々減少し組合員だけでなく後継者も少なくなる中で何とか活性化しようと考え、技能検定1級技能士を育成・取得するために組合の支援活動を強化しました。以前は組合員だけに検定の指導や練習を行っていましたが、組合員以外の取得者にも全面協力し、業界全体の活性化に取組みました。また、板金技能競技大会に青年部の若い技能者が出場できる環境づくりにも支援・協力をしています。」と力強く語る山下さん。いまや機械加工が中心の板金技能の手作業による技能を継承するために、美術的な銅板作品に取組んでいる。「最初は趣味で作っていたのですが、作業のひとつひとつが板金技能ならではの仕上がりなので、後継者の育成に役立てています。また、技能フェスティバルなどのイベントにも出品し、一般の人にも板金技能の素晴らしさを知ってもらうための活動も推進しています。」と微笑みながら語る。龍や朱雀など古典的なものから蒸気機関車など精密な加工を施した作品が好評です。また、ものづくりマイスターとして子供達に板金技能の体験教室も開催。「以前は表札づくりを主に行っていましたが、子供達に人気の漫画キャラクターを採用して、親子で楽しめる体験教室を開催しています。これからも時代のニーズに合った板金技能に取組み、組合・技能士会など業界の発展に力を注いでいきたい。」と板金業界のさらなる展望を語る山下さん。今後の活躍に期待しています。この道50年以上も板金技能に携わり、いまも現役で板金業界の発展に取組んでいる山下文雄さんに板金技能のアレコレを伺いました。家業である板金業を17歳から継ぎ厳しい修行時代を経て、いまや業界を代表する卓越した板金技能を習得。「昔は大工と並び屋根材や雨戸・外壁など一般住宅の仕事が主流でしたが、最近は住宅の建築工法が変わり板金需要も少なくなり、いまでは工業用の空調ダクトや排気筒などの建築資材の製造が中心になり板金技能も手仕事から機械加工へと変わっています。」と語る山下さん。現在では国内だけでなくアメリカ・フィリピン・インドネシア・シンガポールなど、海外市場への拡大にも取組み独自の技能システムを追求なさっています。長年培った技能を主流に新たな板金需要に取組む!技能検定取得や技能競技大会出場により、組合の発展・活性化に貢献!建築板金技能士板金技能とは金属板を曲げたり伸ばしたり接続したりして、家屋の屋根・外壁から建築のダクト・排気筒など、金属の特性を活かした優れた加工製品を仕上げる技能です。(株)綾川エアーシステム代表取締役社長山 下 文 雄 さん●1級建築板金技能士●ものづくりマイスター柔軟な発想で時代のニーズに合った板金技能の創造と展開!●卓越した板金技能で製作した 「龍」や「朱雀」のみごとな作品能の紹介alk7

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です