香川のものづくり支援事例集No.16
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3Skill&technology transfer団塊世代の大量退職が進み、また少子高齢化に伴う人口減少により、我が国の社会構造にさまざまな影響を及ぼす中で、特に優れた技能・技術を持った技能者の育成は難しく、指導者による創意工夫・指導環境・また時間が必要となります。そこで今回、企業における技能伝承の重要性と方策に対する理解と認識を深める契機となることを目的に、「技能伝承に取組む企業の好事例発表及び意見交換会」を平成29年1月18日に地域職業訓練センター大研修室で各企業の担当者29名のご参加をいただき開催しました。生産現場に必要な能力とは…!初めに、四国職業能力開発大学校生産技術科の能力開発准教授 青木 節氏による基調講演を行い、「技能伝承の必要性と伝承の方策」をテーマに、伝承の必要性・技術と技能・技術と技能マップの作成法・指導の方法が紹介された。生産現場において必要な能力として、1.技能、2.技術、3.態度があげられ、技能と技術の違いとして作業に関する動きの能力(カン・コツ)を示す技能と、設備能力に関する知識の能力を表す技術にわかれ、作業者に必要な態度として、整理・整頓・清潔・清掃・躾の5Sがあげられると説明した。基調講演:テーマ四国職業能力開発大学校生産技術科能力開発准教授青木 節 氏技能伝承の必要性と伝承の方策企業内従業員の教育訓練の進め方!次に企業内従業員教育の課題として、人材育成を妨げる要因である熟練技能者の高齢化・生産拠点の海外流出・アウトソーシングの対応・自動機械化・技能伝承の方法を現場に任せてきたことなどがあげられた。それぞれの課題をふまえて、教育訓練の進め方を示した。ステップ1として社員教育の課題・ビジョン・取組みなどの経営戦略と現状からのニーズの把握、ステップ2として要員配置や教育訓練指標の作成などによる教育訓練の目標設定、ステップ3として技能・技術のマップ・作業者の技量評価票などの作成による教育訓練の体系化、ステップ4として職場内教育(OJT)・職場外教育(Off-JT)・自己開発や啓発による教育訓練の実施、最後にステップ5として作業者の能力評価・技術技能マップの更新・研修受講などの報告会などによる教育訓練の評価と改善をあげている。技能と技術の基本的な5つの指導法!指導方法として5つの基本的な要素にわけられ、1:講義・説明・講演など「言って聞かせる」、2:実演・実技による「やってみせる」、3:教科書・AV教材など「ものを見せる」、4:実習・練習など身に付くまで「やらせてみる」、5:質問・討議・報告など「聞いてみる」を組合わせてより効果的な指導を実施する。指導前に誰に何を指導すれば良いのか教育目標を決め、業務遂行上求められる能力を洗い出す。現場に求められる能力・資質の洗い出し!(技術・技能マップ)人間像の必要能力・資質の討議を用いた手法「CUDBAS(クドバス)」を利用する。CUDBASとは現場で理想とする人間像(必要能力・資質)の構造図を作成することで、能力評価票の作成を実施し従業員教育の計画を行う。将来の若年技能者の安定的な確保と効率的な人材育成の取組みについて事例紹介と意見交換会を実施!技能伝承に取組む企業の好事例発表及び意見交換会平成28年度若年技能者人材育成支援訓練後の評価訓練前の評価技術・技能マップの作成:あじさいチャート

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