香川のものづくり支援事例集No.12
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桟瓦ぶき本瓦ぶきかわらぶき技能士とは…?飛鳥時代に中国より寺院建築の技能と共に伝来した瓦は、耐久性・耐火性・美観に優れた陶器製屋根瓦として普及。社寺建築に使用される平瓦と丸瓦を交互に組合せた本瓦ぶきと平瓦と丸瓦を一体化させた波型の桟瓦ぶきがあります。現在は雨漏防止材の下地をひき、瓦留めの桟木を打込み瓦を引掛け、棟部分の瓦・先端部分の軒先瓦を敷き詰める引掛け桟瓦ぶきが主流になっています。◀切妻屋根の両端を垂直に切落とした切妻は、雨漏りなどの故障が少ない一般的な屋根型。◀入母屋上部が切妻・下部が寄棟形式になった複合型。社寺建築に多く伝統的で重厚なイメージ。※この他、ローコストを実現したシンプルな一面だけの 片流屋根などがあります。作業工程受講者の声▲(株)高松セラミックス  吉原 諒さん会社では工事兼営業を担当しており、仕事では新建材を取扱うことが多く、和型瓦工事は経験不足でした。最近はお客さまが和型瓦についていろいろとネットなどで調べており、詳しい相談を受けることも多かったので、今回瓦ぶきの基本的な技能・知識・情報を得るため挑戦しました。昨年の9月頃から社内で特訓を始め先輩たちの指導を受け練習しました。一番難しいのが、たがねを使って瓦を形に合わせて割る作業で、かなり神経を使いました。検定には兄弟で参加しており、互いに作業の進みぐあいを意識しながらプレッシャーの中、がんばりました。近年は仕事で取扱う屋根材の多くが化粧スレートなどの新建材で、職人が和型瓦を使う機会が少なくなってきました。かわらぶき技能検定は桟瓦ぶき工法を課題とし、古くからの瓦材である和型瓦の技能を習得し、瓦職人としての基本的な知識・技能の向上と継承を目的として実施されています。今回は9名の職人が受検しました。施工方法は次の通り〈引掛工法〉1.下ぶき施工↓耐水用の合板やアスファルトルーフィングなどの施工。桟木打ちのために瓦の寸法に合わせて正確な墨打ちを行う。2.瓦桟木打ち↓瓦を引掛けるための桟木を下地材に固定する。3.地ぶき↓屋根の平部・軒部・袖部・棟部に次々と瓦をふいていく。4.棟積み↓屋根の頂上部にある鬼瓦を取付け仕上げる。施工法としてこの他、土ぶき工法・ガイドライン工法があり、普通の民家で約10日間の工事となります。屋根の形は建物の種類・用途・規模・間取りなどによって、様々な形状デザインが施工されます。また耐水性・耐震性・耐寒性・通気性などに優れ、経年変化に耐え美しさを持続させなければなりません。そのような優れた施工を行う優秀な技能士の証として、技能検定を位置付けています。寄棟▶屋根の頂上である棟に向かって四面の屋根を集めた形式。四方の軒に雨水が流れるので外壁を保護する形式。技能検定委員に聞く!▲ 香川県瓦施工組合・監査●1級かわらぶき技能士丸山 正光さん桟木打ち瓦加工作業桟瓦鬼瓦完成作品技能士さん紹介<屋根の種類>かわらぶき技能士6

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