香川のものづくり支援事例集No.8
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壁や床工事が多くなり特に介護施設やマンション建築が主流になっています。しかしながらその施工方法や資材関係が昔とは違う技能に変わっています。」と語る氏家さんと同年代の熟練技能士の尾﨑さん。人材確保や育成はどうですかと聞くと「最近は慢性の人材不足で組合員でも平均年齢が65歳と高齢化が進み、中堅・若手従業員が少なくタイル張り業界の課題になっています。」と寂しく語る氏家さん。打開策としては大手ゼネコンへの質の高い技能アピールやタイルだけでなく石など新素材による施工方法など、新しい分野の開拓に積極的に取組み、業務拡大と人材確保に力を入れている。「昔は一人前の職人になるには10年以上の経験が必要だった。いまの施工方法では半年から1年でプロ級の技能を習得できるが、大手ゼネコンメーカーからの業務発注の際に技能検定1級タイル張り技能士の資格が必要になっているので、技能検定取得に向けて各社・技能士会が取得者の育成・支援に取組んでいる。」と力強く語る尾﨑さん。お二人ともものづくりマイスターの資格があり、当協会主催の技能フェスティタイル張りは住宅の玄関周りや浴室・トイレなどの工事・施工で広く使われていましたが、現在では住宅の建築工法や新しい資材などの普及によりタイル張り工事が激減しています。「昔は300社以上のタイル張り業者が住宅を中心にタイル張り施工を行っていましたが、バブル崩壊の時期から景気の低迷や住宅の工法・資材の変更により受注の低迷が続き、いまでは技能士会の組合員も15社ほどになり寂しい限りです。」とこの道40年以上の経験を積む氏家さんが語る。いまはどんな業務体系になっているのですかと聞くと「大手ゼネコンメーカーからのビル建設の受注が中心で、外●小学校5年生のものづくり体験授業バルでのタイル張り体験教室の出展や小学校へのものづくり体験授業にも取組んでいる。「ものづくり体験教室では毎回子供たちのユニークな作品づくりには驚かせられます。カラフルなタイルピースを自分なりの発想で仕上げていく様子を見て、何十年後にはタイル張り技能に興味を持ち業界を担う人材になってほしいと願っています。」と微笑む氏家さん。どの業界も厳しい現状の中でそれぞれの知恵と技能を駆使して発展や活性化に取組んでいます。当協会も明るい未来のために香川のものづくり産業の発展に貢献します。次代のニーズにあった新たなタイル張り技能で柔軟に対応!業界の未来を担う優れた人材確保・育成に技能士会が一丸となって取組む!タイル張り技能士タイル張り技能とは大型建築や住宅などの外壁・玄関周り・浴室などにタイルを張り、建物の仕上がりの美しさを表現する大切な技能です。未来のものづくり産業を支える子供たちへの楽しい技能伝授!尾﨑タイル代表尾 﨑 薫 さん●1級タイル張り技能士●ものづくりマイスター氏家タイル代表氏 家 辰 己 さん●1級タイル張り技能士●ものづくりマイスター優れた技技能t厳しい現状の中で長年培った熟練したタイル張り技能と新しい発想の業務展開に取組む!8

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